※18人の子ども達の教室内の位置・向きから計算された、教室中の個々の子どもの行動の、集団活動からの尤度距離。
この計算には、集団活動および個々人の行動の確率モデルによるモデル化が行われている。

位置向きから判る子どもの関心

保育分野(就学前教育・養育)において「子どもの育ち」を解釈する為の新たな方策として、子どもの位置・向き情報から関心を推定する分析手法の開発について報告します。私たちはこれまでの研究から、保育者が経験的に子どもの関心を読み取る際、子どもの位置・向きという行動特徴量を参照することを示してきました。また同時に、人による関心状態の評価に対してベイズ推定を用いることで定量化できることが示唆されています。
これらをうけ本研究では、記録した保育活動場面の映像データ中の子どもの位置・向き情報と関心の対象について保育者によるアノテーションを実施した後、人手による関心記述の行動尤度と機械学習(HMM法,LDA法)による行動尤度を比較分析しました。結果、取得した保育活動場面における幼児18名の関心の傾向は位置・向き情報から推定可能であることが示されました。